「Aタイム」マネジメント
「Aタイム」 マネジメント
「Aタイム」 マネジメントとは
タイムマネジメントとは、自分がその日の仕事を最高のパフォーマンスで行うことができるようにするための、段取りのことです。
当たり前のことですが、仕事を「実行する」というのは、「その日」にしかできないことです。
それ以外の日は、「その日」に最高のパフォーマンスを発揮できるための準備(将来)と反省(過去)の期間です。
その(マネジメントサイクルに代表される)準備(Plan)と反省(Check)の時間をおろそかにすると、当日の最高のパフォーマンスは全く期待できないことになります。
こういった考えをベースにした効果的なタイムマネジメントの方法論が、「Aタイム」マネジメントです。
「Aタイム」マネジメントの「Aタイム」とは、1日のうちで自分が一番パフォーマンスを発揮できる時間帯のことで、「この時間帯をうまくコントロールすることで、その日の仕事に最高のパフォーマンスを発揮できる」という考えに基づいています。
そして、「Aタイム」マネジメントは、一日の中で最も重要な「Aタイム」の仕事を最高のパフォーマンスで行なうことができるように考え出されたタイムマネジメントの方法論です。
また、「Aタイム」マネジメントのエッセンスは、『「Aランク」の最も重要な仕事に4週間ほど先まで「Aタイム」を優先的に割り当てる』ことです。
これを日々実践することで、成果をあげる仕事の進め型が身に付く
という非常にシンプルな考え方です。
「Aタイム」とは
「Aタイム」とは、一般の人が最も仕事の能率の上がる、午前中の3時間のことを言います。
この時間帯をいかにうまく活用するかが、タイムマネジメントの要諦になります。
「Aタイム」マネジメントの理論
「Aタイム」マネジメントは、1つの大前提と、3つの原則から構成されます。
《 大前提 》
ホワイトカラーの人たちの仕事は、パレートの法則(20%の仕事が、成果の80%を占める)に従っていること。
ホワイトカラーの人たちは、仕事の有効性(目標に沿った仕事)を考えずに仕事をしている場合と、有効性の高い順に仕事をする場合とでは、明らかに成果に差が出てきます。
このため、ホワイトカラーが成果を出すためにこの20%の仕事を「選択し集中」することが、必要となります。
それでは、この20%の仕事をどのようにして見つけて実践してゆけばよいのでしょうか。
その秘訣は、これから説明する「3つの原則」を自分の仕事に適用することです。
《 3つの原則 》
これから述べる「3つの原則」とは、パレートの法則で言う「成果をあげる20%の仕事」をどのようにして選択し、そしてそれに集中するのか、を与えてくれる方法論です。
時間を有効に使うための3つの原則
◆ 仕事の計画は 効果 を意識して立てる ◆
(1) アイゼンハワーの原則 : 仕事の優先度の決定方法
アイゼンハワー元大統領が使ったとされる、職務を遂行する際の、単純で実用的な優先順位の判断基準 (アイゼンハワーのマトリックス)
(2) プライムタイムの原則 : 優先度の高い仕事を計画する方法
プロジェクトや仕事、さらにそれに関わる時間そのものをコントロールするための、タイムマネジメントの哲学
◆ 仕事の実行は 効率 を意識して実施する ◆
(3) 能率の原則 : 仕事の能率を上げる方法
① 重要な仕事を効率よくするために把握すべき体のリズム
② 仕事に集中するために、常に「仕事の棚卸」をする
③ 5S (整理・整頓・清掃・清潔・習慣化) の実施
(1) アイゼンハワーの原則とは : 20%の仕事の見つける方法
オーバーフローしている仕事を効果的に処理しようとする時、それらに優先順位を付ける必要があります。優先順位を付けることは、一日を効果的に働くことに、大きく役立ちます。
仕事を緊急度と重要度で分けることで、タスクを3つの象限 A、B、Cに分けます。
① A-タスクは緊急で重要な仕事
② B-タスクは同じく重要ですが、それほど緊急ではない仕事
③ C-タスクはより重要性は低いですが、緊急な仕事
この原則では、特にB-タスクが成果に直結した仕事であることが理解できるようになります。
(2) プライムタイムの原則とは : 20%の仕事の時間を確保する方法
「プライムタイム」 とは、
① 自分自身が計画した重要な仕事(典型的にB-タスク)を処理するために、
② 前もって確保(自分と約束)する時間
のことを言います。
「プライムタイムの原則」 導入の重要性
私たちは意識的にこう言った時間を確保して、自分にしかできない重要な仕事 (B-タスク!) を最優先に行う必要があります。
そうすることで、自分のスケジュールを他人からの仕事にコントロールされずに、自分の目標 (= チーム、組織、会社全体の目標) を達成できるようになります。
かの有名なドラッカーは、彼の著書である「経営者の条件」で、以下のように警告しています。
----------引用開始
ところが、組織の中のエグゼクティブは、まったく違う状況に置かれている。 通常、彼は、彼自身がほとんどコントロールしえない4つの大きな現実にとりまかれている。 それらの現実は、いずれもが、組織に組み込まれ、日常の仕事に組み込まれている。
彼は、それらを不可避のものとしてそれと共生する以外に、選択の余地がない。 しかも、それら4つの現実のいずれもが、仕事の成果をあげ、業績をあげることを妨げる方向に、圧力を加えてくるのである。
まず第1に、エグゼクティブの時間は、すべて他人の自由にされてしまう時間である。
エグゼクティブを体の動きによって、つまりその活動によって定義するならば、組織の囚人と定義せざるをえない。 だれでも、彼の時間を奪える。 現実に、だれもが奪う。 このことについて、彼にできることは、ほとんど何もないかのようである。
彼は、医者のように、ドアから顔を出して、看護婦に「30分だれも入れないで」とはいえない。
たとえいったとしても、その瞬間に電話が鳴り、最上の顧客、市の高官、あるいは上司と話さなければならなくなる。 もはや貴重な30分は過ぎ去っている。
----------引用終了
このように、「プライムタイムの原則」を取り入れることが非常に重要になってきているのです。
(3) 能率の原則とは : 20%の仕事を最適な時間帯に確保する方法
① 能率のリズム
日々の生活の中で能率と言うのは日々変化します。
たとえば、私たちは次のような体のリズムで生活しています。
・ 時間単位の能率 : 集中力曲線、のこぎり刃現象など
・ 日単位の能率 : アフターランチ症候群など
・ 週単位の能率 : 月曜病、金曜病など
・ 月単位の能率 : バイオリズムなど
・ 年単位の能率 : 五月病、花粉症など
このため、こう言った能率のリズムを見つけ出して、一番能率の上がるときに一番重要な仕事をすることが重要です。
② ストレスをためないために、記憶しない
自分がやるべきことは、すべてこの「やるべきことリスト」に書き出します。
やるべきことリストには、必ず以下の項目を記入します。
・ 件名
・ 優先度
・ 開始する日
・ 終了する日(デッドライン)
・ 必要な時間(所要時間)
③ 5S (整理・整頓・清潔・清掃・習慣化) : 仕事の効率を上げるオフィスの整理・整頓
「ウォール・ストリート・ジャーナル」 紙は、
『ビジネスパーソンがオフィスで捜し物をする時間は、年間で6週間に及ぶ』と報じています。
この最も無駄な「捜しものをする」時間は、わたしたちに以下のような害を及ぼします。
・ 貴重な仕事時間の損失になります。 つまり、この時間を有効に使えなかったことによる機会の損失です。
・ 捜し物のためストレスがたまり、仕事への集中力がなくなる。
この時間は、無駄以外何の効用もありません。
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