タイムマネジメント ステージ 2
成果を出すための「TaskTimerによるタイムマネジメント」の実践方法
6. タイムマネジメント ステージ 2
それでは次に、「プライムタイムの原則」にはいります。
プライムタイムとは、
① 自分自身が計画した重要な仕事を処理するために、
② 前もって確保(自分と約束)した時間
のことを言います。
「アイゼンハワーの原則」では、「B」タスクを中心に仕事をして行くことが大切だと書きました。
また、「B」タスクは、「B」タスクのうちに計画通りに実行することが必要だと書きました。
元来、「B-タスク」とは、組織や企業の長期計画に基づく目標達成型の仕事で、「プロジェクト」タイプの仕事です。
旅行に行くときに計画を立てますが、こういったプロジェクトレベルの仕事は、それと同じように計画を立てて、それを管理しなければうまく行きません。
そして、その重要な仕事を計画通りに行うために、「前もって時間を確保してその確保した時間でその仕事をやると自分と約束する」時間のことを「プライムタイム」と言うのです。
この「プライムタイム」をとらないとどうなるかは、最初に「Bさん」の予定表で見たとおりです。
Bさんの予定は、「ほとんどが他人から確保された」仕事です。 つまりは、自分の仕事を自分の時間を割いて行うという仕事のスタイルにはなっていません。
他人任せのこの仕事のスタイルは、仕事がありすぎてもなくても「すべてが他人のせい」と言う被害者意識につながってしまいます。
それは、自分の時間(人生と言っても過言ではありません)を他人がコントロールすることに任せてしまっているからです。
元GE会長のジャック・ウェルチは、「Controll your own destiny, or someone else will.」と言っていますし、ある本には「旅行の計画と同じぐらいのエネルギーを人生の計画に注ごう」と書いています。
プライムタイムをどのように取るかや、どの程度取るかについてはこのセミナーの後半に説明しますが、一日のうちでいつ取るかについては、次の「能率の原則」にも触れますがここで少し書いておきます。
下の画像は、一般的な人の一日の能率曲線です。
これによると、一日のうちで一番能率の上がる時間帯は午前10時をはさんだ2時間くらいでしょう。
プライムタイムに行う仕事と言うのは、優先度の高い仕事で、通常は相当のエネルギーを注ぐ必要のあるものです。
このため、一日のうちでエネルギーに満ちているこういった時間帯にプライムタイムを取って、「よしやるぞ!」と言うことで取り組むべきものです。
しかし、多くの人達は自分のプライムタイムをまったく意識していないように思われます。 おそらく、かなりの人は、プライムタイムをどうでもいい書類を読んだり、それほど緊急でもない雑用に使ったり、ときには新聞を読んでつぶしているのではないでしょうか。
ビジネスパーソンの間では、「ゴゴイチ」という言葉をよく耳にします。 大事なことは「午後いちばん」に片付けようというわけですが、上の仕事の能率曲線によれば、ほとんどの人にとって「ゴゴイチ」というのはもっとも効率の落ちる「ワースト・タイム」なのです。
「効果的な」時間管理とは、この自分のプライムタイムをいかに活用するかというひとことに尽きます。 そのためには、ごく月並みなようですが計画をきちんと立てるしかないのです。
無計画はもっとも高い付加価値を持つプライムタイムをみすみすどぶに捨てるようなものです。
私たちは意識的にこう言った時間を確保して、自分にしかできない重要な仕事 (B-タスク!) を最優先に行う必要があります。
そうでないと、自分のスケジュールを他人からの仕事にコントロールされることで、自分の目標(= チーム、組織、会社全体の目標)の達成が出来なくなってしまいます。
プライムタイムはタイムマネジメントの哲学
また、プライムタイムの原則はタイムマネジメントの哲学と言われます。
プライムタイムの原則を実践することで下に書いたような効果を獲得することができます。
約束とは :
他人と約束をしそれを守ることは、他人との信頼関係を築くことです。 他人との約束を破ると、他人との信頼関係が崩れますが、これは他人が指摘してくれます。
自分と約束をしそれを守ることは、自分との信頼関係を築くことです。 自分との約束を破ると、自分との信頼関係が崩れますが、これはだれも指摘してくれません。
自分(Self)との信頼(Confidence)関係を築くことが、他人との信頼関係を築く基礎になります。
自信とは :
自分の能力や価値を確信すること。 英語では、Self-Confidence という。(広辞苑)
自分との約束を守ることができる人は、自己との信頼関係を築くことができ、他人に対しても自信をもった行動・態度をとることができるようになります。
つまり、プライムタイムの原則を正しく使えるようになることで、自分との信頼関係を築き、自信を持つことができ、それがひいては他人との信頼関係を築いていくことができるのだと言うことです。