TaskTimerとCanopusによる「Aタイム」マネジメントの実践
私達が提案する三位一体システム
私達が提案する三位一体システムとは、効果的なタイムマネジメントを実践するために、システム手帳とスケジューリングソフトを統合的に活用することによって、 各々のツールの長所を伸ばし、短所を補い合うシステムで、使用者にとって、タイムマネジメントを無理なく行うことが出来て、自分の仕事や人生の時間コントロールを効果的に実施していこうとするものです。
私達はこれを、「人に優しいタイムマネジメントシステム」と呼んでいます。
システムの仕組みは以下の通りです。
TaskTimerとCanopusによる「Aタイム」マネジメントの実践
三位一体のシステムを使って、効果的なタイムマネジメントを行なうための説明です。
三位一体のシステムを使って、「Aタイム」マネジメントを習慣化することで、今より2倍3倍の生産性向上を享受できるようになります。
1. 計画の構造
年間計画から、日々の計画・実行・計画の修正に対する構造は、以下の通りです。
2. 年間目標と実行計画の策定
年間目標・計画を策定するために、「実行分野の特定」と、「目標の策定」、「活動計画の策定」の3つの作業を行います。
この作業については、紙を使って行なう作業なので、Canopusシステムリフィルを活用します。 策定したら、それをTaskTimerの「ゴールビュー」、「プロジェクトコントロールビュー」からTaskTimerに入力し管理できるようにします。
(1) 実行分野を作成する
実行分野は4つの鍵となる質問によって明確にします。 これらの質問はすべて、あなたが仕事で達成することを期待されている事柄に焦点を当てています。
質問1 あなたの仕事は、会社に対してどういう独特の貢献をしているか?
質問2 あなたがこの仕事をやり遂げなければ、会社は何が達成できないか?
質問3 私は、上司、部下、同僚、外部の関係者から、何を達成するよう期待されているか?
質問4 私の仕事全体で、目標達成の鍵となる重要な分野はどれか?
これらの質問を基にして、自分の実行分野を明確にしていきます。
(2) 実行目標を作成する
実行目標とは、何を達成するのかを記述したものです。 それは最終的な成果を意味しています。
① 実行目標は、「SMART」に記述します。
・ S : 「Specific」 : 具体的であること
・ M : 「Measurable」 : 測定可能であること
・ A : 「Achievable」 : 達成可能であること
・ R : 「Related」 : 理念や他の目標と整合性があること
・ T : 「Timely」、「Time-bound」 : 期間が明確で時宜を得ていること
② 実行目標には必ず期間と優先順位を付ける。
(3) 年間活動計画を作成する
年間活動計画策定の目的
年間活動計画は、実行目標を達成するための手段(プロジェクト活動)をはっきりさせるためにたてます。
通常、この活動計画はプロジェクトとして位置づけられ(もちろん、営業活動のような、ルーチンワーク的な仕事もありますが)、以下のような観点で策定します。
① 年間活動計画は、大まかに立てる。(最初から詳細にタスクに展開する必要はさらさらありません。)
プロジェクトのタスクへの展開は、月間計画で行います。
② この段階で優先順位と委任を計画します。
・ 将来起こり得る優先順位の衝突を予測することができる。
・ 顕在した問題(仕事のオーバーフロー、バッティングなど)を委任という技術を使うことによって解決できる。
(4) 年間目標と実行計画の策定には、2~3日程度をかけましょう。
《年間計画のフロー》
3. 月間計画 : 1ヶ月(168時間ベース)を見渡す鳥瞰計画の立案
月間計画は、タイムマネジメントの中でも重要な位置づけにあります。
月間計画は、月末/月中(2回/月が理想的です)に行います。
月間計画の策定は、(年間)目標を達成するために、「プライムタイムの原則」(自分の時間を確保する)を適用する非常に重要な作業で、以下の作業から成り立っています。
この作業は、TaskTimerを遣って行なうと効果的に行うことができます。 なぜなら、活動計画の見直しや、プロジェクトのブレークダウンなどは極端に言うと日々変更が発生する作業だからです。
ITツールは紙の手帳とは違って、こういった変更には柔軟に対応できるので、活用しましょう。
なお、月間計画を持ち歩くためには、TaskTimerの「マンスリービュー」をプリントアウトすることが効率的です。
さらに、TaskTimerでは、自分や他人が計画したデータを基に、仕事の優先度や量を把握し、仕事の委任やプロジェクトの調整に活用します。(特に、マネジャークラスの人たちに大変有効な機能です。)
(1) 仕事の棚卸作業
① 活動計画の見直し
・ プロジェクトコントロールビューで、自分やチームの活動計画(優先度・日程等)に変更がないかチェックし、必要ならば見直しを行います。
・ 新規案件の書き出し
・ 未処理案件の確認}
・ 委任仕事の確認(グループ作業)
② 活動計画(プロジェクト)のブレークダウン
・ プロジェクトコントロールビューで、年初に計画した活動計画(プロジェクト)で、活動内容が明確になった計画を、タスクにブレークダウンします。
・ 新たなプロジェクトが発生したら、活動内容が明確になった計画を、タスクにブレークダウンします。
(2) 月間計画の策定
① 月間計画ビュー(シナリオ画面)で、今後1ヶ月のプライムタイムの予定をメインに入力し、マンスリービューをプリントアウトします。(30%ルール)
(3) 月間計画の策定には、1時間程度かけましょう。
《月間計画のフロー》
4. 週間計画 : 1週間(40時間ベース)を見た実行計画の策定
週間計画は、毎週末に策定しましょう。
週間計画の策定には、TaskTimerの週間計画ビュー(シナリオ画面)を活用すると効率的です。 なぜなら、すでに月間計画で入力した仕事や、会議などの予定が入力されているからです。
週間計画ビュー(シナリオ画面)で、1週間の予定を入力します。
なお、週間計画を持ち歩くためには、TaskTimerの「ウィークリービュー」をプリントアウトします。
(1) 週間計画の策定
週間計画では、月間計画で行なった鳥瞰的な「Aタイム」への計画の割付に対して、今度は仕事を行う観点から仕事を割り付けます。(60%ルール)
日々のスケジューリングでは一日8時間を見たスケジューリングですから、ちょっと大きな変更が発生したら計画が破綻してしまいます。
しかし、一週間40時間を見ながら計画を立てていくと、余裕のある計画を立てることが可能。
私たちはこれを、プロアクティブスケジューリングと呼んでいます。
1日単位の計画では、先が見えないけれども、1ヶ月単位では実際の仕事の把握があいまいで、仕事の実行計画できないと言う人が多いと考えます。
確かに、先を見て仕事をするということは非常に大切ですが、私たちは月間計画(プライムタイム用)と週間計画(実行計画用)とに各々別の意味を持たせて、特に日々の仕事の実行計画は、週間単位で行ないます。
(2) 週間計画の策定には、30分程度かけましょう。
《週間計画のフロー》
5. 一日の仕事の計画・実行・修正
一日の仕事は、「Aタイム」マネジメントを実行する基本プロセスです。
このプロセスでは、Canopusのリフィルを基本に仕事を進めます。 そして、TaskTimerでは、自分や他人の実績データを中心に、プロジェクトや日常業務の進捗把握に活用します。
(1) 一日の仕事の実行
① 一日の仕事は、前日記載した「デイリープラン」の予定を基に進めます。
② 実績は、実績欄に都度記載します。予定と実績を合わせる必要はありません。
③ また、新しいToDoは、「アクティビティチェックリスト」に記載します。
④ 一日が終了したら、デイリープランの実績情報、アクティビティチェックリストを基に、一日の実績をTaskTimerに入力します。
《一日の仕事の実行のフロー》
(2) 一日の仕事の修正と翌日の仕事の計画
① 実績の入力が終了したら、計画の進捗をチェックしましょう。
② 進捗の状況によっては、計画の修正が必要かもしれません。
③ その後、翌日の一日の予定をTaskTimerのデイリービューから入力します。
④ そして、次の日のデイリープランに転記して1日が終わります。
★ これを行なうことで、以下のメリットがあります。
・ 明日の仕事を始めるときまで、仕事のことを忘れて自分のクリエイティブな時間を享受できる。
・ 潜在意識を効果的に活用することができる。
★ 翌日の予定を立てるときには、以下のようなこと(タイムマネジメントの定石)を忘れないようにしてください。
・ 原則として午前中をプライムタイムとして予定を立てる。
・ 計画できない突発仕事の発生を計画に組み込めるように、予定は実働時間の60%程度にとどめる(60%ルール)。
・ 前倒しの原則を厳守し、A-タスクを当日の予定に組み込まない。(前倒しのルール)
(3) 一日計画の策定には、10分程度かけましょう。
《一日の仕事の修正・計画のフロー》
30%ルールと60%ルールについて
(1) 30%ルールとは
① 午前中の3時間(Aタイム)に最優先の仕事を割り当てること
(2) 60%ルールとは
① 一日の仕事時間の60%を、計画した仕事・活動に予定する。
② ホワイトカラーの仕事には、突発仕事がつきもの。
このため、前もって突発仕事用の時間枠(20%)を想定しておく
③ ホワイトカラーは、日々さまざまなアイデアを創造している。
このため、これらを試行するための時間枠(20%)を想定しておく