「A」タスクとは
成果を出すための「TaskTimerによるタイムマネジメント」の実践方法
5.1 Aタスクとは
それでは、最初にAタスクの仕事の分析です。
Aタスクというのは、「緊急で重要な仕事」です。
上にも書きましたが、私はセミナーを行うと、事前に「仕事の分析シート」にご自分の仕事の一日の実態を書いてきてもらいます。
そうして、セミナーの中でこの「ABC」分析をしてもらいます。
そうすると、多くのの人たちがこの「A」オリエンテッドな仕事の仕方をしていると書きます。
話を聞くと、「私の仕事は、常に緊急で重要な仕事ばかりです。」や、「お客様からの緊急な仕事が次々と入ってくるから。」と言うことで、AやAX(突発のAタスク)に設定している人が多いようです...。
Aと言う仕事が一番大切だという先入観からなのでしょうが...。
しかしここで、具体的にAの仕事とはどんなものかを分析していくと、そこでハッと気づく人が多いですね。
ところで、Aの仕事とはいったいどんなものなのかを私は、こんな典型的な仕事でお知らせしています。
・ 顧客からのクレーム処理
・ 不良対策
・ せっぱつまった仕事
・ 上司からの緊急な依頼
等々
これらを見て気づいていただくことは、Aタスクというのはリアクティブと言うか火消し的な仕事が多いと言うことです。
つまり、往々にしてこの「A」と言う仕事は、会社や組織にとっては、マイナスが大きくならないように対策しなければならない仕事と言えるのではないでしょうか。
これらの仕事の特徴というのは、その前の仕事に何らかの不始末があって発生するものですね。 つまり過去に行った仕事のツケが回ってきたと言った具合の仕事です。
我々が抱えているAタスクというのは、実はこのような仕事が多いのです。
この仕事に忙殺されている人は、いわゆる、もぐらたたき状態ですね。
これを解決していくときに、皆さん方に考えていただきたいことがあります。
Aタスクは、モノゴトが始まるときには存在しない仕事なのですね。
皆さんは会社に入社されたときに、Aタスクはありましたか?
あるプロジェクトを開始されたときに、Aタスクはありましたか?
もっと根源的に、皆さんがオギャーと生まれたときにこの様な仕事はありましたか?
なかったはずですよね?
しかし、そうこうしているうちにこのAタスクが発生してくるんです。
これが、Aタスクの根源的な特徴なんです。
つまり、日々我々が悩まされているAタスクと言うのは、その原因は実は、「その前の仕事に原因があったと」言うことなのです。
そこで、先ほどのAの仕事を見てください。
「せっぱつまった仕事」ですね。 せっぱつまった仕事には、かならず余裕のある時期があったと言うことですね。
この余裕のあった仕事が、せっぱつまってきて、やっつけ仕事になって、そこから不具合がでてきていると思いませんか?
つまり、Aタスクのもとは、この「せっぱつまった仕事」が、その原因であると言うことがわかります。
わたしは、IT業界にいますから、このAタスクではいろんな場面を見てきています。
やはり一番多いのは、「バグ対策」ですね。
これはまさに、(会社のイメージと金銭の)マイナスを如何に少なくするかを考える典型的な緊急で重要な火消し仕事ですね。
それがわかっていながら、この「バグ対策」は引きもきらずに発生しているわけです。
(もちろん、システムの仕様がなかなか決まらないとか、仕様変更が頻発すると言った問題はありますが、それを別にしても) なぜこれが発生するのかは、皆さんも先刻ご承知だと思いますが、「テストをちゃんとしていないから」です。
もう少し、上流工程に原因を見つけると、「表計算ソフトなんかで工程管理をしているから」です。
工程の進捗がうまく把握できなくて、工程遅延を起こした挙句にテストをおろそかにしてしまうからですね。
つまり、このAと言う仕事は、実はB(工程管理をちゃんとして、工程遅延を起こさずにテストをちゃんとやる)と言う仕事をおろそかにしたり、先送りしたりすることで発生することが多い仕事なのです。
今日までの間に、さまざまなAタスクを処理してきたと思いますが、これはほとんどが「B」タスクから発生してきたものと確信できます。(私自身も振り返ってみると、全くそのとおりだからです)
だから、この仕事に焦点が当たっている人は、 「なぜ、こんな仕事が発生するのか?」というその原因をしっかりと考えてほしいと思います。
それでは、AXタスクのような仕事が降って沸いてきたときにどのように対応すべきなのでしょうか?
多くの人は、「もぐらたたき」的に処理しているのではないでしょうか?
ここで、AX(突発で優先度の高い)タスクの処理の仕方を書いておきます。