AXタスクの処理の仕方

「A」タスクとは
 

AXタスクの処理の仕方

 
 Aタスクというのは、「緊急かつ重要」な仕事で、優先度が一番高い仕事のことです。

 それではまず、この「Aタスク」と言うのはどんな仕事なのかを明らかにしてみましょう。
 下に書いたような仕事が一般に、「Aタスク」と言われるもので、上でも書きましたが再度掲載します。
1. 顧客からのクレーム
2. 不良対策
3. 上司からの突然の仕事の依頼
4. せっぱつまった仕事


と言うように、このような仕事は数え上げたらキリがありません。

 このような仕事は、即時に処理しましょうと言うのが、一般のタイムマネジメントの教科書が説いていることです。

 しかし、それをやっていると、常に「もぐら叩き」的な(問題の原因を探ろうとせずに、直ちに思いついた解決策にたより、次々に実行の指示を出す)状況に陥ってしまいます。

 確かに、担当者レベルの仕事としては、「即時に処理しましょう」と言うことは正しいのでしょうが、マネジャーがこういった仕事の仕方を指示していると、チームとしては一向に成果をあげることができなくなってしまいます。

 上に書いたAタスクを見てみますと、1.や2.という仕事が、AXタスクですね。

 こういったタスクの特徴を考えて見ますと、これらの仕事は、「問題解決」のための仕事ですね。

 1.の場合は、商品の不良や顧客対応の不備などの原因によるお客様からのクレームに対応する仕事です。
 2.の場合は、まさに商品の不良による対策仕事です。

 こういった仕事が発生したらすぐに対策の手を打つということが一般的に行われていますが、もちろんそれは行わなければならない仕事ですが、それで終わっていては、いつまで経ってもこういう仕事の発生は収まりません。
 
 突発的な仕事である「問題」は、現れ方はさまざまですが、一般的に「共通の原因」があるものです。

 このため、マネジャーには、この「共通の原因」を突き止めて、そこに手を打つことが求められます。 マネジャーはそこにこそ時間を費やすことが重要なのです。

 しかし、企業の研修などで「仕事の分析」をしているとマネジャーの中には自分で「もぐら叩き」的な解決策を実行している人が必ずいます。

 またこういった人たちは、本当によく働いています。 朝から夜遅くまで...。

 彼らの一日の仕事を分析すると、Aランクの仕事しかやっていないと言うことで、AタスクとAXタスクの仕事で埋まっています。 こういう人たちの仕事の仕方を見ていますと、まさに「もぐら叩き」の手法で仕事を行なっていることが多いです。

 これでは、いつまで経っても仕事の「質」が上がりません。 また仕事時間の割には成果もあがりません。 当然ですね。

 それでは、どのようにすればよいのでしょうか。

 マネジャーが最初に考えなければならないことは、多くのAXタスクの共通の「原因」を探り、根本的な解決策を見つけることと、それを実行の土台に載せるために、誰に何をさせるのかを計画し・実行させることです。

 マネジャーのこの仕事は、多くのAXタスクを分析・分類することで、問題を系統的に解決できるようにするか、Cタスク化つまりルーチンワーク化することです。

 この仕事はBタスクです。 つまりマネジャーはこういった仕事にこそ時間を十分に投下することで、Aタスクを削減する仕組み作りをしていく必要があるのです。

 これができているかどうかで、そのチームの仕事の質の向上が左右されそれが延いては、知的生産性に影響してきます。

 こういった仕事の仕方のできないマネジャーが率いているチームは、常にドタバタが発生していて、生産性が低いことになります。

 しかし、こういったマネジャーが必ずしも排除されないのには、経営幹部の責任が大きく問われるところでしょう。

 つまり、一所懸命に「動いている(もぐらを叩いている)」部下を見て、「懸命に働いている」と勘違いしているところに、根源的な問題があるのかもしれません。
 

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