仕事の効率を上げるオフィスの整理・整頓
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1. 仕事の効率を上げるオフィスの整理・整頓
マネジャーがタイムマネジメント(=自己管理)を実践し生産性を向上させるために身につけるべき必要なスキルの4番目は、5Sを習慣づけることです。
整理・整頓というと、「生産現場のことで、我々のようなホワイトカラーのオフィスでは関係ない」 と考えられている人が多いと考えます。
だから、スローガンとして 「5S」 を掲げてもなかなか浸透しないし、浸透させる側も力が入っていません。
私がいたオフィスでもそうでした。
毎年、幹部が年度予算・年度目標を発表するのですが、目標項目が5つあると、大体いつも5Sは一番最後の5番目なのです。 しかも申し訳なさそうに書いてあります。
これでは、力が入っていないことが見え見えで、誰も真剣に推進しようと考えているとは思いませんでした。
だから、机の上や、机の周りに書類や段ボール箱を積み重ねて仕事をしている光景を見かけます。
こういう人たちに限って、「思考の糧になる」とか、「創造的な効果が増す」とか言って、この乱雑さを正当化しようとする人も多いものです。
しかし、本当の仕事のプロという人たちはまったくそのようではありません。
画家や書道家は、使った筆をすぐに整えて、次に使えるようにしていますし、一流の野球の選手は、試合が終わった後で自分のグラブを入念にワックスがけをして保管しておきます。
なぜなのかといいますと、そのようにしておかないと次に良い仕事ができなくなることを知っているからなのです。
それに比べて、わたしたちホワイトカラーはいかにも対極にいる人が多いようです。
あなたの会社や組織ははいかがですか?
机の上が乱雑でも、どこに何があるか把握しているから大丈夫という人もいます。
こういう人に限って、仕事を始める前に机の上をガサゴソと資料を探していたり、電話がかかってきたときに、「ちょっと待って、その資料この辺にあったはずなので...」などと言いながら無駄な時間を費やしているのです。
こういった状況を、「ウォール・ストリート・ジャーナル」紙は、ビジネスマンがオフィスで捜し物をする時間を、年間で6週間に及ぶと報じています。
にわかには信じられませんが、これを見ると、我々の仕事時間の1割以上が捜し物のために消えてしまっていることになります。
1日の仕事時間を8時間とすると、1時間弱です。 これは大変な無駄です。
毎日1時間弱の時間を無駄にしていることによって生じる損失は以下のとおりです。
(1) 貴重な仕事時間(約10%)の損失
(2) 捜し物のためストレスがたまり、仕事への集中力がなくなる。
(3) 一番大きな損失は、この時間を有効に使えなかったことによる機会の損失です。
こういった損失は、一般には目に見えない(外部に出て行かない)損失なので、毎年膨大な損失(少なく見積もっても、社員一人当たり毎年年収の20%程度にはなるでしょう)を被っていても気にならないのかもしれません。
これを改善することで、オフィスワークの知的生産性の向上に直接つながってきます。 改善しない手はありません。
ケリー・グリーソンは、彼の著書(なぜか、「仕事がうまくいく人」の習慣)の中で次のように言っています。
もしあなたが効率よく働きたいのなら、この画家のように、いつでも使えるように、ものを整理すること。清潔できちんとした状態にあるものは、そうでないものより使い勝手がいいのだ。
自分の視界から外れたものは、文字どおり頭のなかから消えてしまう、と恐れる人たちがいる。こういう人たちは、業務や任務を忘れてしまうことを恐れ、思い出すためのものをデスクに置いたり、目に入るところにポストイットを貼りつけたりする。
あらゆるものを見えるところに置いておくというのが、この人たちの解決策だ。
ごもっとも。見えなくなる、すなわち忘れてしまう、というのは実によくある話だ。わたしは、こういう人たちから相談をされると、思い出すためのシステムをつくることを提案する。
さらに、手をつけることができないものを、すべて思い出す必要はないと伝える。
今できない物事を思い出しても、"あとでやる"という悪い習慣を増長させるだけだ。
さまざまなメモをデスクやオフィスのまわりに貼りっぱなしにしたまま、それを役に立つと信じている人は多いが、その手のものがあると、第一に気が散るし、たいていはストレスを生むもとになるだけである。
わたしからのアドバイスは、「ものの置き場所をつくること」、「デスクには現在手をつけているものしか置かないこと」、「できのいい予定表のシステムを利用して、自分がほんとうにやるつもりになったときに、何をすべきか思い出せるようにすると」だ。
私たちは、捜し物時間の削減に最も効果のあるファイリングに関して、TaskTimerを使うことで簡単にこういったストレスを低減して、仕事の生産性を向上させることができます。
以下では、具体的に説明していきます。