仕事をスケジュールに展開する

成果を出すための「TaskTimerによるタイムマネジメント」の実践方法
 

9.2 仕事をスケジュールに展開する

 
 ここからは、いよいよ自分の予定表に仕事を貼り付けていくプロセスに入ります。
 このようなプロセスを提案すると、「窮屈だ」とか「予定は未定だ」などと言って、逃げ出してしまう人がいます。
 しかし、こういった人たちでも旅行に行くときにはちゃんと計画を立てて、その予定を守るべく行動しています。 決して、行き当たりばったりな旅行をするわけではありません。
 仕事も同じで、計画を立てることで成果の出る(目的地に)仕事を効率的に(行き当たりばったりではなく)こなしていくことができるわけです。
 また、これから記述する内容を読んでもらえば分かると思いますが、計画と言うのは決して「息をつく時間もないほどに、仕事をぎゅうぎゅうに予定表に押し込める」ことではありません。 全く逆のことです。

 それでは、Bさんの仕事をスケジュール画面に展開して見ましょう。

 Bさんの仕事の全体は下の画像のように構成されています。
 

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 Bさんの目標からプロジェクトまでの展開は9.1のように設定しました。 それから、Bさんは「目標達成のための」プロジェクトは、下のように展開しています。
 

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 もちろん、仕事の適正化を行なった後でもこういったプロジェクトの仕事はキャンセルされることはないでしょう。
 なぜなら、プロジェクトと言うのは目標を達成するために行なう活動だからです。

  このようにして、Bさんの中・長期の仕事の計画が設定されました。

 ここで少し考えていただきたいことがあります。
 一般にこういった中・長期計画と言うのは会社の中(ご自分でも)でどのように管理されているかと言うことです。

 以下に書くようなことが実際に会社や組織の中で行なわれていることではないでしょうか?

 ● (中・長期、年間等)目標の管理 : 紙または、Word文書
 ● プロジェクトの管理
  ① 受注プロジェクトの管理 : プロジェクト管理ソフト(MS Project 等の専門ソフト)またはExcelソフト
  ② 社内プロジェクトの管理 : Excel / Word文書
 ● 社内の予定管理 : グループウェアのスケジュール管理ソフト

 もちろんこういう状況ですから、これらの仕事の間のリンクについては、まったく設定されていないと言ってよいでしょう。
 これでは、マネジャーはもちろんのこと担当者は自分の仕事がどれだけあって、優先度はどうなっているのかなどまったく把握できる状況にはないでしょう。
 

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 「仕事の状況が見える仕組み」を作るためには、すべての仕事を統合的に管理する必要があることが大前提です。

 しかし現実はそう簡単ではありませんでした。
 こういった仕事と目標とのリンクを管理するような「目標の管理」システムは一般的にはありませんでしたし、仕事を統合的に支援できるツールが今までなかったからです。
 このため、どうしても仕事をばらばらに管理せざるを得なかったというのが現状だと考えられます。

 TaskTimerは、こういったことを一貫して計画できるツールです。
 目標から、その目標を達成するための行動計画であるプロジェクトまで、どのように関連しているのかを一貫して把握することができます。
 

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 こういうことができて初めて、自分の仕事を優先順位に従って行なうことや、仕事の委任なども効果的に行なうことができるのです。

 それでは、仕事の計画に入りましょう。 いわゆる仕事の段取りです。
 仕事をスケジュールに展開するに際しては、「仕事時間の1~2%程度」を使用して実施します。

 なぜこのように書くかと言いますと、こういった作業が非常に重要にもかかわらず、「こういった作業をする時間がもったいない」とか、「そうでなくても残業が多いのに、こういった作業をやらせるからまた残業が増えるのだ」と言った担当者や幹部が少なくないからです。
 いわゆる木こりのジレンマにはまり込んでいる人たちが結構多いのです。
 
 「段取り八分」や、「優先順位をつけることができれば仕事は半分になる」と言うことを頭では理解(?)しているのでしょうが、実践できないのでしょう。

 

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