自分ではやらない仕事の棚卸
成果を出すための「TaskTimerによるタイムマネジメント」の実践方法
8.2 自分ではやらない仕事の棚卸
仕事を平準化する際にまず最初に行うべきことは、自分ではやらない仕事(3.または、4.)を棚卸することでしょう。
特に委任すべき仕事は、開始すべき日をにらみながら早いうちに依頼をすべきです。
早いうちにこう言ったことを計画すると、「アイゼンハワーの原則」で言う「C」タスクのみでなく、「B」タスクさえも計画的に(部下を育てると言う意味で)委任することができます。
これを先手型のタイムマネジメントと言います。(「できる」といわれる人たちが当たり前のようにやっていることです)
このため、優先順位を決めることができれば、忙しさは半減します。
仕事に優先順位をつけないと、心理学者の言うカナル現象という思考に陥ってしまって行動様式が惰性化してしまいます。
生物は、人間ももちろん含めてですが、習慣の生き物です。
私たちが、毎日生活できるのもすべてこの「習慣」があるからです。
だから、私たちにとって習慣を身につけるというのは非常に大切なことです。
しかし、心理学者によると「思考の習慣化=カナル現象化」は、「脳の死」を意味するらしいです。
こう言った「カナル現象」という思考に陥っている人は、「難しいこと」や「初めてのこと」を後回しにする傾向があります。
結果として本当に重要で優先度の高い仕事(往々にしてこれらは、「難しいこと」や「初めてのこと」)は常に後回しにされ、仕事に追われるという悪循環に陥ってしまうのです。
あなたの周りを見渡すと、この「カナル現象」症候群にはまっている人が結構多いことに気づくと思います。 忙しそうに働いているけれども、成果の出ていない人などは知らず知らずのうちにこの症候群に陥ってしまっています。
だから、タイムマネジメントの本やセミナーではつねに、優先順位をつけることをしきりに説いています。
そして、優先度の高い仕事から片付けなさいと言います。
優先度の高い仕事から片付けると-それだけ多くの成果につながるものですから-同じ成果を上げるために使用する時間は確実に減るわけで、その結果として確実に「忙しさを半減」できるようになるわけです。
アイゼンハワーの原則を説明したときに仕事をやる順番を「A」「B」「C」の順だと申し上げました。
これが非常に大切な順番で、また「会社に入ったときは、Aタスクはなかった」と言いました。
つまりこの状態を作り出すことが、わたしたちが提案する効果的タイムマネジメントの究極の目標なのです。
これを実行し始めたときは、少し大変かもしれません。
なぜなら、「A」タスクを片付けながら、「B」タスクも計画的にやらなければならないからです。
そのためにも、一刻も早く委任するかやめる仕事を決めることが重要なのです。
このようにして、「A」と「B」に集中できる環境を作ることが大切なのです。
そして、これを続けていくうちに、劇的に変わる転換点が現れます。
つまり、「B」タスクを計画的に「B」のうちに片付けることで、確実に「A」タスクが減ってくる時が来ます。
この転換点を過ぎると、後は今まで味わったことのないような環境を作り出していくことができます。
いままで、「A」タスクをこなすことに日夜明け暮れていた毎日が、「B」タスクを中心にじっくりと仕事に取り組むことができるように変わります。
これはまさに、アイゼンハワーの原則を使うことで、自分の仕事を改革することができることになるのです。
具体的に、Bさんの仕事の全体を見ますと、「C」タスクの仕事をいくつか抱えていますし、今月の予定を見ても「セミナー受講」などは、キャンセルしても問題のないものであればどんどん削減していくことです。
「C」タスクは、誰かに依頼してもいい仕事ですから、部下がいるのであればどんどん早いうちに委任すべきです。(委任に関しては、チームマネジメントのセミナーで説明します)